136 view | 2018/08/18 00:00

都会のマタギと田舎のマタギ その19 滝行に挑戦ー今日は水浴びの記念日



都会のマタギと田舎のマタギ その19 滝行に挑戦―今日は水浴びの記念日。


一時、ユーミンの曲で、「ありふれた朝でも、今日の日が記念日」というフレーズが好きだったことがある。ちょうど1年前に始めた、毎朝の‘3杯の水浴び’の記念日にと、来月まで宮崎こばやし熱中小学校の事務局をされている井上優さんにお願いして、昨日宮崎県の山中での滝行に連れて行って頂いた。

途中宮崎空港から約1時間の、古代の古墳群、隣接する西都原考古博物館(こんな素晴らしい博物館があるなんてびっくり仰天)を見学して思いを過去にワープしながら、同じく事務局の古賀和子さんの運転する車は熊本県境に向かう。

九州最大のアーチ式ダムである一ノ瀬ダム湖を通過してさらに支流の銀鏡川を峻険な山あいの道を約1時間、道路の右に10数メートルの滝が轟轟と豊かな水を落としていた。

このところの雨で水量は3倍という話だが、事前に導師:上米良久光さん、世話人の濵砂隆文さんが着替えのテントを張って待っていてくれた。なんでも朝のうちに滝から落ちたたくさんの流木の始末など我々3人の為に準備をしていてくれたそうだ。

古賀さんが準備していただいた、行衣、足袋などで衣装を整えると「島船行事」という事で「祓戸の大神」に対してみそぎの祝詞、体を温めるためにか、船を漕ぐような運動を数10回繰り返す。滝の轟音に負けないような声で祝詞を復唱すること10分、いよいよ入水となった。

途中岩にぶつかったり、激しい流れに逆らって足を取られながらも滝壺にそろそろと歩いていく、まともに頭にかぶっては痛すぎると事前に教えていただいていたので、むち打ちにならないよう、首と肩にあたるような位置に体を支える。砂地の底に足を踏ん張って、流されないように必死で導師の横で頑張る。導師は、一貫して祝詞を唱えて、井上さんと古賀さんは、「ハラエドノオオカミ」を復唱している声が滝の豪音の合間にわずかに聞こえる。

腹と腰、足先に力を貯めて必死で流されないようにしながら、さて私は何を唱えようか、空っぽになっていく頭が探したのは。。

「人間一生僅かなものなり、好きな事をしてくらすべきものなり」と、「おもしろきなき世をおもしろく」のフレーズを繰り返すことにした。坂本竜馬と高杉晋作の連続技だ。

そして約15分で滝から上がり、再び「舟歌行事」と運動をして締めになった。

もともとは、山伏の修業を入る前に山の神に向かって、身を清める儀式であったという。

事前、事後の運動の中で、手を刀のようにして空を切るものが入っている。井上さんによると、これは「九字を切る」という所作で、眼前の様々な魔を切るという清めの儀式だそうだ。

8月の滝行は冷たいとはいえ、最高の環境であろう。2月には、寒くて滝に打たれる時間は数分しか持たないそうだ。昨年は6回の例会開催の内で天候や水量の関係で2回しかできなかったともいう、今回は特別に貴重な機会を頂いた。

これも井上さん、古賀さんのNPOが以前にこの地区で町興しを指導されて、信用が熱いからの賜物だ。私も心を通じる思いがした。

最近は女性の滝行参加希望者が増えているという。

その心は、何か変わりたいという、変身願望が多いそうだ。

私にとってこの体験は、毎日の水浴びの際にきっと頭によぎると思う。

毎日、毎日必ず同じことを繰り返していけば、習慣が変わり、習慣が変わると心が変わり、心が変わると行動が変わり、行動が変わると人生が変わるという、そのスパイスになってほしい。

スパイスといえば、160戸くらいのここの集落の特産品は柚子と唐辛子を混ぜた、柚子胡椒だ。今や海外にも輸出する急成長産業だそうだ。

県の無形文化財指定の第一号という冬の徹夜の夜神楽「銀鏡神楽」も守る苦労話を背にして私たちは山を下りた。


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0堀田 一芙


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