95 view | 2018/06/05 00:00

剣道、古くて新しい「道」

都会のマタギと田舎のマタギ その8 剣道、古くて新しい「道」


今回のアメリカ旅行はお嬢さんが家庭を持ち一緒にフロリダに住むYさんご夫妻の家に泊めてもらった。ご主人は剣道をアメリカで教えることを生きがいとされていた。ちょうど私の小学5年生の孫が最近、品川区のベスト16まで行ったという事で剣道の話で盛り上がった。私の息子は中学、高校で剣道部に入って2段。


私が大学生の頃は南ベトナム戦争に端を発する学園紛争の真っただ中でキャンパスは落ち着かなかった。何か感ずるものあって品川警察で警察の皆さんの練習時間に入れていただいて1年ほど剣道を学んだ。

剣道のT教士は警察剣道の花形であったが、(ご本人曰く天狗になって不摂生をし)肝臓を悪くされて品川署の剣道場の控え室で一日、宮本武蔵の「五輪書」を読んでいるような生活をされていて、今に生きる武士をめざしておられた。書道も達筆で、葉書に収まった、暑中見舞いなどは逸品だった。

このT教士にかわいがっていただいて、時には個人レッスンをしていただき、1年で初段を取らせていただいた。T先生が療養中で品川署におられたおかげで、近くでその迫力に接しご指導いただいた貴重な時間は私の人生の宝だ。


剣道の世界では、警察関係や教員関係者が強さを誇る。全日本選手権剣道大会は警察の剣道名門県の代表を中心に大学剣道のOBの逸材とトップを争う世界である。

その中で今年の8段昇進試験に、フロリダのYさんのいた会社の後輩である現役サラリーマンが受かったと聞いた。受験者数904人中合格は6人(合格率0.7%)の最年少(50歳)でしかも最初の挑戦だった。何年も8段昇進を目指しているたくさんの人の前でアッと言わせる出来事だったのだ。

インタビューで、彼は「自分の特徴として、大きな体格と突進力を生かした面技が強みと考え、しかし今の年齢からスピードや体力を向上することは難しいため、‘呼吸法’を意識した稽古に努めました。具体的には、攻めるときには息を吐きつづけることです。これによって、最近は無駄打ちが少なくなり、相手の息づかいも感じながら攻め入ることができるようになりました」そうか、呼吸法―私的には吐きつづけ、吐ききる瞬間のつばぜり合いの時に興味がわいた。

彼は3日に1回、年100回の稽古を心がけるが第一線の営業として、海外、国内を飛び回っている中で、防具を持参し、SNSで行先の稽古場と仲間を見つけて来たそうだ。彼の入賞には世界中の剣道仲間が喝采した。SNS活用の世界は多くの剣道関係者にとっては新しい世界だろう。ハンデを独自に工夫され、新しい競争が静かに始まっているのだ。

T先生が少し酔っぱらうと、「警察では誰もが入ったら剣道か、柔道をやる機会がある。でも優秀な幹部は、剣道選んだ人が多いんだよ。警察署に数年しかいない官僚トップの話だったかもしれないが、私にも継続されるといいよと言いたかったのだと思う。。

「柔道の方には悪いが、体格の以外の要素でも勝負できる余地が剣道は大きく、「心」の世界もあるから。」と言っていた。

私は自分ができなかった世界にあこがれて、孫にはぜひずっと剣道を継続して行ってもらいたいものだ。と言うと、

ワイフが「息子はやめたい、やめたいと言いながらそれでも6年。あなたはたったの1年で。。あなたの飽きっぽい血が影響しなければいいけど」

には、一本とられた。

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0堀田 一芙


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