770 view | 2020/02/07 00:00

現時点で地域と農業を考えるために

現時点で地域と農業を考えるために

1月25日(土)2時間目の授業を実施いただいたのは食と農の記者として活動される榊田みどり教諭。榊田教諭は30年以上全国の農村を歩き回り現地での取材を続け、高畠町にも有機農業の関係の取材で何度も足を運んでいただいております。


農政と地域での暮らしについて語る榊田教諭


エニアグラムタイプ1改革の人、榊田です。そんな自己紹介から授業が始まりました。

(エニアグラムは1時間目授業でお話があった自己分析の手法)

 

最近の農政に対して感じている事

2013年農業の成長産業化を掲げて始まった現政権の農業施策ですが、3つの柱の立案から7年、今どうなっているか考えてみましょう。

1、農地集積:2023年までに担い手に8割の農地を集めて収益を上げる。

→現状5割程度、離農者の地域外流出や後継者不足が顕在化。 集積した農地の荒廃の危惧も。

2、6次産業化を推奨:1次、2次、3次産業といった枠にとらわれず、生産、加工、販売について多角的に農業を産業化していく事を目指す事。

→鳴り物入りで始まったA-five(官民ファンド)破綻。

3、海外への農業輸出の拡大:農業関係輸出の金額を1兆円規模に拡大する。

→当初の5000億から9000億以上に増えたが、真珠やホタテ等も含む水産物が1/3、アルコールなど加工食品が1/3を締めており、取り組みの意義は疑問視される。

全体的に決してうまくいっているとは言えないのかなと感じます。

集約した農地が世代交代をする事によってどの土地がだれのものかわからないという事も起きたりしています。国の農政と地域毎の農政というのは違ってくるのかなと考えています。

 

農業だけでない地域との関わり方

これまでは農業専業じゃないといけないとか、土地を集約して大規模化しないとという動きが大きかったのです。しかし昨今はパラレルキャリア、マルチワーカーと呼ばれる農業専業ではなく多業による就農への希望も増えてきています。総務省でもそういった動きを推奨するため、2009年から始まり当初100名くらいでしたが、地域おこし協力隊は現在では5500人をくらい。今後8000人まで増やそうと計画は進んでいます。最近は受け入れ側の体制も整ってきており、そういった動きがより顕著になっています。

 

関係人口という考え方

3.4年くらい前から登場した言葉なのですが、最近は政策等でも用いられるようになりました。2017年には「関係人口を作る」という本を島根県の地方記者だった方が出しています。関係人口とは観光人口と、定住人口の中間のような存在で、地域をもう一つのふるさとの様に考えて何度も訪れてくれたり、行事に参加いただいたりと居住は別の所にあっても地域の一員の様に振舞う方の数を意味しています

観光等で地域を訪れてくれる不特定多数の人が、またその地域に訪れたり、移住をきめたりするのは中々難しい。そこで関係人口を増やして地域の困りごとを解決したり、まずは地域の一員として暮らしを共有したりする人を増やそうというのがよく言われています。熱中小学校に通う皆さんも関係人口に当てはまるのかもしれません。また若い人を中心に2地域居住(デュアラー)という暮らし方も新しいライフスタイルとして広がりつつあります。

 

地域経済「漏れバケツ理論」

地方自治体にとっての産業振興は企業誘致や補助事業を誘致してくるかという事にあったと思います。地域の産業振興というのは2000年以前は企業誘致、補助事業を取ってくるかという所にありました。2000年以降は小泉政権下で公共事業が減少し、より安い労働力を求めて企業はどんどん海外に流出してしまいました。地域の産業が縮小し獲得できる外貨が減る現代においては水漏れバケツの穴を塞いでいくように地域外へ獲得した外貨が流出しないよう地域内経済を回す事が重要です。地域の農産物を地域で食べることもそうですが、バイオマス発電、建材の活用等様々な点で見直しが出来るのではないでしょうか。

 

半農半Xという暮らし方

東日本大震災、リーマンショックを受けて実体経済に関わりたいという方が増えたように思えます。地域での新しい暮らしを考える時に半農半Xという言葉があります。これは2003年に塩見直紀さんが「半農半Xという生き方」という本を書かれて暮らしが広がっています。島根県などそういう移住希望者を受け入れる支援事業を行う自治体も登場しております。半農半XのXの部分には介護、酒蔵、半カメラマン、半デザイナーetc..農業に関わりながらも様々な形で地域に必要な産業に従事しています。農業だけでなく地域づくりのマネジメントを行う農業法人も出てきています。

また地産地消という言葉に対応して地消地産という言葉が出てきました。これは地域で消費される産業を地域で作りだしていくべきという考え方を示しています。食の経済規模における、生鮮食品の割合は年々減少し外食や加工食品の割合が大きくなってきています。

食のみならずですが、地域内経済をいかにうまく回していくかというのが今後重要ではないでしょうかとお話をいただきました。

 

当日は高畠共生塾の渡部務さんもお越しいただき、有機農業発祥の地の一つである高畠町で農業と暮らしについて考える講義となりました。


 

令和元年1月25日(土)高畠熱中小学校

一番積雪がある時期だけれど雪が全くなく天気も晴れ、午前中はおもてなし部による恵方巻献立。

 

1時間目 社会

神山 恵美子 教諭 コア学園グループ取締役副社長

2時間目 共生(農業)

榊田 みどり 教諭 食・農の記者、明治大学客員教諭


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