529 view | 2020/09/01 17:39

「日本酒文化の楽しみ方」/「デザインと大学の役割」

「日本酒文化の楽しみ方」

7月6日(土)1時間目の授業を担当いただいたのは新城猪之吉さん、新城さんは末廣酒造株式会社代表、

また會津熱中塾塾長、酒造りをなりわいとしながら人材育成にも力を入れて様々な活動をされています。

末廣酒造の長男として生まれた新城さん、子供のころから跡継ぎという言葉を言われてきたのですが、

実は跡継ぎになるのが嫌で俳優や医者なんかを目指した時もあったと言います。

しかしながら小さいころから身近にあったお酒は大好きで、

大学卒業後協和発酵へ就職しワインの販売を担当する事になったそうです。

それからはやっぱりワインも大好きで、会社には日本酒がたくさんありますが、

自宅にはワインが沢山あるそうです。

その後醸造試験所での経験を経て末廣酒造で酒造りを始めます。

ジョークを交えながらお酒について語る新城さん


お酒が出来るまで

ブドウ糖を発酵させてアルコールと炭酸ガスをつくる酵母菌は自然界の至る所に生息しています。

特にぶどうはそのままブドウ糖を含んでいるので、

自然界の酵母に触れさせて放置するだけでワインを作る事が出来ます。

また酵母菌と呼ばれる菌にも沢山種類がありそれぞれ異なる味や風味を生み出します。

麦芽やお米については含有するでんぷん質を分解して麦芽糖やぶどう糖を作ってから、

酵母によって発酵を促しビールやウイスキー、日本酒を作ります。

古来日本ではでんぷん質を分解するために唾液を用いました、

口噛み酒なんてのはそこから生まれた文化です。

ただその後麹菌がでんぷん質を分解する事がわかり、

麹菌を繁殖させた麹を使った酒造りが始まります。

麹も米麹、麦麹など様々種類があり、お酒のできも大きく異なるそうです。



おいしいお酒ってなんだろう

新型コロナウイルスの影響で家庭内でのお酒の消費量は増えてきているけれど、

やっぱり安いお酒ばかり売れているそうです。

日本酒は飲食店や現地で買われる事が多くやはり大変な状況との事です。

新城教諭が酒業界で働き始めたころ三増酒(さんぞうしゅ)という

日本酒に醸造アルコールを加えたものが流行っていました。

当時新城教諭もこれが流行っているのはおかしいと唱えたけれど、

みんながおいしいおいしいと飲んでいるじゃないかと皆に言われたそうです。

食べなれたものがおいしい、飲みなれたものがおいしい。

そう感じてしまうと気づいたそう。

最近はそういうのに取って代わってより安価に違和感なく飲める、

第3のビール等の新しい商品が出来ています。

一方で伝統的な酒蔵では若い人を中心に

新しい価値を提供しようという発想も生まれてきているので

古き悪しき蔵元の自己満足文化に囚われず、

安酒とは違う価値の提案をしていきたいとのお話でした。


赤玉ポートワインや粕取り焼酎といった昔のお酒の話から生活文化の話まで、

酒蔵の歴史から今の酒文化の動きまで、日本酒の種類や種類毎の作り方美味しい飲み方等

幅広くジョークを交えながら日本酒文化を楽しむ授業となりました。


「デザインと大学の役割」

2時間目の授業を担当いただいたのは中山ダイスケ教授、

中山教授は東北芸術工科大学の学長としてデザイナーとしても現役で活躍されています。

20代の頃からニューヨークでアーティストとして活動していた中山教授ですが、

永住も考えて活動の拠点としていたNYで同時多発テロが起こります。

NYのスタジオでは道に迷った留学生たちへアートだけでなくキャリアについて、

相談に乗ったりする事も多かった中山教授は同時多発テロ以降NYが殺伐としてきた事もあり、

日本に戻り知人と共に仕事をしたり講師として活動したりする事になります。

中山教授の出身は香川県の丸亀市という事で東北にはあまり縁がなかったとの事ですが、

東北芸術工科大学でも講師として仕事をするようになり現在に至ったそうです。

デザインについて愛嬌たっぷりに語る中山教授


山形でのデザインの仕事

フルーツジュース、お菓子、お米や野菜、観光、スポーツや音楽関係、学校等、

色んな分野で実際に手掛けられたデザインの仕事のお話でした。

中山教授の手掛けたお仕事は取り組みの魅力を引き出して多くの方に知ってもらうため、

実際に人に関わってもらい有意義な取り組みをつくるため、

デザインの力を最大限に活用されているのが印象的でした。

ニューヨークでお金持ちのためにアート作品を作る頃から、

日本に来て最初にジュースのデザインを作り始めて大きく変わったそうです。

ゴミ箱に自分の作ったデザインの空き缶を見て、

実際に色んな人の目に触れて手に届いた事を想像して、

なんだか楽しくなってきたなんてお話もありました。


東北芸術工科大学の目指すところ

昔は人の営みの中で何かを思いついて表現する事はデザインもアートも区別なく1つでした。

現在それらは表現としてのアートと商業としてのデザインが2つに分かれていますが、

未来それらが一つに繋がっていってより大きな存在になるのではないか。

そんな想いが東北芸術工科大学のロゴには込められているそうです。

また東北芸術工科大学の英語名は、

「TOHOKU UNIVERSITY OF ART&DESIGN」

という事でデザインも名前に入っています。

芸術大学の英語名にデザインが入っているのは実は珍しいそうで、

ここからもデザインとアートを繋げていくそんな想いが垣間見えます。

公設民営の大学として始まり現在30年目になり、

実は建設時の想いなどがわかる資料等はあまり残っていないのですが、

デザインに込められた意味や想いをくみ取って、

中山教授もそれを実現すべく大学での取り組みを行っていきたいとのお話でした。

東北芸術工科大学のロゴデザインと込められた想い


デザインに求められるチカラ

デザインはモノとコトに分けられる事が多いけれど、

モノもコトもどちらか一方だけでいいという事はありません。

広義に考えれば法律や経済、インフラにもデザインの力が必要なはずで

問題点は多く指摘されながらも相変わらず無計画な建設や営みが続いています。

東北芸術工科大学では芸術、デザイン教育を通じて

想像的な人材を輩出する新型の芸術大学を目指しているそうです。

これは中山教授自身が東京の芸術大学にいた経験からデザインやアートをする人だけを育成すると、

どうしても少数成功者とそれを恨む大多数の人が生まれてしまうのを感じており、

そんな経験から創造的な人材にもっと多岐にわたる分野で活躍してほしいとのお話でした。


山形は課題先進地域

これまでは都市部が先進的な取り組みをしてきたわけですが、

実はこれからの時代様々な課題にすでに直面している山形のような場所こそ、

それを解決する方法を考えて生み出すのにうってつけの地域だと言います。

そしてそれをちょっと変わった創造的な人材が解決していくのではないでしょうか。

そうしてできた魅力的な地域の小さな暮らしの哲学や、

自慢の地域を見せ合いっこするような時代がやってくるのではないか。

地域で活躍できるよう東北芸術工科大学でも取り組んでいきますとお話をいただきました。


高畠熱中小学校も里山の小さな学校という事もあり地域の課題や問題が見えてきます。

柔軟に創造的に発想する人が集まり新しい発想を生み出す学び舎として活動していきたいですね。


午前中はワインぶどう園地実習


放送席を務めていた地域おこし協力隊の鈴木さんも今回で退任、

おつかれさまでした!


授業記録 7月6日(土)

今回はオンラインオープンスクールという事で、

山形県内外、シアトルからも一般の方にもオンライン参加いただきました。


10:00~11:30 ワインぶどう園地実習

今回は剪定、誘引、摘芯作業、草取り、園地整備全般を行いました。 


13:00~13:20 一般向けガイダンス

熱中小学校の概要や来期の取り組みについてご紹介しました。


13:30~14:40 1時間目 新城 猪之吉

(會津熱中塾塾長/末廣酒造株式会社 代表取締役社長)

「日本酒文化の楽しみ方」


15:00~16:10 2時間目 中山 ダイスケ

(東北芸術工科大学学長)

「デザインと大学の役割」

このユーザーの投稿ブログ

もっと見る
50歳からのFormaggio

50歳からのFormaggio

高畠熱中小学校

人生は漫画だ!

人生は漫画だ!

高畠熱中小学校


  • コメント0件